
大会長挨拶
大会長 工藤 賢三
岩手医科大学薬学部 臨床薬学講座 教授・附属病院 薬剤部長
この度、日本ジェネリック医薬品・バイオシミラー学会 第19回学術大会を、2025年10月11日(土)、12日(日)の2日間、岩手県盛岡市のいわて県民情報交流センターアイーナにおきまして、開催させて頂くことになりました。
少子高齢社会や医療制度の変化の中で、価格の安価なジェネリック医薬品やバイオシミラーの役割がますます重要となっております。日本ジェネリック医薬品・バイオシミラー学会は、ジェネリック医薬品およびバイオシミラーの健全なる育成と普及を計ることを念頭に置いて、これら医薬品に関する、臨床的、社会経済的、倫理的など、あらゆる立場からの包括的な研究を行うことを目的として活動をしております。
第19回学術大会のテーマは「ジェネリック医薬品・バイオシミラーの在るべき姿を考える」といたしました。ジェネリック医薬品の使用促進は、患者負担の軽減や医療保険財政の改善に資するものであることから、国を挙げてその使用が推進されてきました。しかしながら、一部の品質不祥事に端を発したジェネリック医薬品の品質・供給不安から、医薬品供給体制の脆弱性が露わになり、数年が経った現在においてもジェネリック医薬品のみならず医薬品全体として安定した供給の確保が難しい状況が依然続いております。一方、今回の診療報酬改定では、先発医薬品選択への選定療養費制度の導入やバイオ後続品使用体制加算が新設されるなど、着実なジェネリック医薬品およびバイオシミラー使用促進のための施策が実施されております。高額医療費制度の見直しも検討される中、ジェネリック医薬品やバイオシミラーの使用促進に関しては医療者の理解そして患者の理解が必要なことは言うまでもありません。本学術大会では、ジェネリック医薬品・バイオシミラーの在るべき姿、すなわち、これら医薬品の存在意義や役割、普及のための課題や解決に向けた幅広い議論ができればと考えております。
今回の盛岡大会は、開催側の事情から、10月の開催とさせて頂くことになりました。現在、本学術大会にご参加頂く全ての皆様方にとりまして、実りある議論の場となり、親睦の場となりますことを心より願い、開催に向けて鋭意準備を進めているところです。
学術大会を開催します盛岡市は、ニューヨーク・タイムズ紙が発表した「2023年に行くべき52ヵ所」で、ロンドンに続く2番目の街として紹介されております。有名な観光地には遥かに及びませんが、街の風情と美味しい食べ物、そして人柄は自慢できる魅力ではないかと考えております。是非、紅葉の盛岡にお越し頂き、ジェネリック医薬品・バイオシミラーの在るべき姿を考える機会にして頂ければと思います。多くの皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。